風来坊

ブレイクポイント 絶対零度防衛戦の風来坊のレビュー・感想・評価

3.5
第二次世界大戦末期のスロベニアを舞台に、極寒の東アルプス山脈でドイツ軍1万2000人に包囲された、わずか500人のパルチザン兵たちの死闘と運命を描いた事実を基にしたという戦争ドラマ。

スロベニアの映画を観るのは初めてだと思います。日本ではお目にかかる事は少ないですね。
厳しい戦況を描く戦争ドラマ。問題は寒さと飢えという言葉が台詞で出て来るように、極寒の大地と飢えの描写は活きていて特に寒さは伝わって来ますね。少年や女性を駆り出さないといけないくらいに思わしくない戦況だったのだろう。

実際に寒さの中で撮影したと見られ、役者さんの吐く息やあかぎれの肌などがリアル感を増しています。
寒さに震える演技は多分演技じゃないと思えるくらいに迫真。
色々な映画などでナチスドイツの非道さは明らかになっているが、本作でもその非道さには反吐が出ます。

ラストは抽象的というかちょっとあっさりで残念でした。
派手さはなく戦闘云々よりも過酷な戦況と指揮官の苦悩を中心に淡々と描いた作品でなかなか良い戦争ドラマだったと思います。

まとめの一言
「撤退作戦は綿密な計算と言うが映画ではそうは見えない」
風来坊

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