健一

竜とそばかすの姫の健一のレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
2.5
カンヌ映画祭での公式上映の翌日の公開初日。朝一で観てきました。
細田守監督 3年ぶりの最新作!
緊急事態宣言発令の中 延期をする事も無く 夏休み公開の思い入れが強いまま いよいよ公開です。

まぁ殆どの方は 無意識のうちに「サマーウォーズ」を思い出しながら また比べながら鑑賞してしまうのでしょうね? 無論 私もです!

幼い頃 最愛の母を事故で亡くし 人前で歌うことが出来なくなった女子高生のすず。
彼女はインターネット上の仮想世界『U』で ベル と名乗り現実世界で歌えない歌を唄う。
たちまち 彼女の歌唱力は世界中に拡散され 一躍『そばかすの歌姫』へと君臨する。
ベルが何億人もの前で歌声を披露しようとした際 『竜』と呼ばれるアバターが突如 ベル の前に現れる。

監督が公開前にインタビューで『仮想世界の 美女と野獣 を作りたかった。』と語っていた。
なるほど。だから『すず』であり『ベル』なのね。
監督の願いが 叶っているかは別として 本気で『美女と野獣』を描きたかったのだとしたら本作は残念ながら失敗作だろう。
物語から『愛』が全く伝わって来なかったので。

あと『U』と『竜』が聴き取りづらい!
皆様も声に出して言ってみてください。
『U の世界の 竜』。
これが劇中のセリフとなるとホント分かりずらかった。
心にキズを負った孤独な少女の成長物語としては そこそこ楽しめたのだが、仮想世界のシーンになると なんか盛り上がらない。
「サマーウォーズ」の公開から12年。
多少CG技術は進歩しているのだろうが世界観は「サマーウォーズ」とほぼ 変わらない。
なので当然 新鮮味がないのだ!
「サマーウォーズ」で経験しているので。
それは主要キャラ二人を支える脇役キャスト達にも言えることで、どこかで見た事あるようなキャラクターばかり。
唯一 異質を放っていたのは すず のお父さんくらいかな。
出番は少なく 薄いキャラだが見せ場はしっかりと絞めてます。
声を担当した 役所広司さんは 相変わらず上手い。

SNSにどっぷり浸かっている若者達からは共感を得られる作品になっているのかな?
おじさんの私には あまり心に刺さるものはありませんでした。
個人的には「サマーウォーズ」のような現実社会のパートでの ドキドキ ワクワク 号泣感が全く無かった(感じなかった)のが 残念。

自身の監督作の中で一番こだわっているのが『入道雲』の描き方だと語っていた監督。
本作では『入道雲』だけ、素晴らしかったよ。 監督!


2021年 7月16日 公開初日
TOHOシネマズ池袋 screen 10 TCX
💺313席 (感染対策で50%収容)
客入り 80〜90人。

8:05の回を鑑賞。
早い、眠い。鑑賞後仕事。暑い😵
健一

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