ぶみ

デストラップ/狼狩りのぶみのレビュー・感想・評価

デストラップ/狼狩り(2020年製作の映画)
3.5
弱肉強食、狩人だけが知る非常の掟。

ショーン・リンデン監督、脚本、カミール・サリヴァン、サマー・H・ハウエル、デヴォン・サワ等の共演によるカナダ、アメリカ製作のスリラー。
森に住む猟師の一家に巻き起こる不可解な出来事を描く。
主人公となる猟師ジョセフをサワ、妻アンヌをサリヴァン、娘ルネをハウエルが演じているほか、謎の男としてニック・スタールが登場。
物語は、人里離れた山中で暮らし、野生動物の漁師として暮らす一家が凶暴な野生の狼と対峙するなか、惨殺された登山者の死体を発見するという状況となり、基本舞台を森の中としているため、ワンシチュエーションものとして展開。
以降、狼にいつ襲われるかわからないという緊張感が常に漂う状況において、前述のような死体の発見に謎の男の出現と不穏な出来事が巻き起こるとともに、映像自体は静かながら、そもそも主役が誰だかわからない視点となっていることから、着地点の見えないままに進行して行くことに。
そうして迎えた結末は、これまた中盤までの比較的静かな展開からは想像できないキレ味となっているため、決して良い話ではないものの妙な爽快感を味わうことができた次第。
そんな中、猟師であるジョセフを演じていたのが、既に二十年以上前の作品となるジェームズ・ウォン監督『ファイナル・デスティネーション』で、主役の青年役であったイメージが私的には未だに抜けきれないサワであったのは見逃せないポイントだったところ。
ザ・B級作品の配給を得意とするエクストリームにおいて、本作品は至って真面目に作られた路線のものであり、低予算ではあろうがチープ感はなく、動物パニックか、サイコスリラーか、それともホラーなのか、その結末は是非その目で確かめて欲しい一作。

私は頭脳で勝負する。
ぶみ

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