倦怠を回避する術を模索している若い夫婦が、自動車事故の衝撃に性的欲動の発生源を見いだしていく。性倒錯者の生態を描いている、エロティック・サスペンス。
ハリウッドセレブの自動車事故を再現しようとしている、同好会リーダーのキャラ付けが面白い。事故現場を舐め回しながらカメラ撮影したり、運転席に座っているだけで恍惚状態に入ったり、その一挙手一投足がいちいち笑える。
ドラマ本編では、「快楽の極地を目指すことは、死地に達することである」という普遍的命題がテーマになっており、随所に日活ロマンポルノとの類似性が感じられる。非道徳的な行動を取っているのだけど、当事者は幸せの絶頂であることがキーポイント。
性倒錯(異常性愛)の気質は、誰しもが胸の内に秘めているものであり、何かがきっかけでソレが表出する人もいれば、表出しないままの人もいる、ただそれだけのこと。この観念に着目した性のドラマほど、訴求力のあるものはない。