星降る夜にあの場所で

ゴッドファーザー(最終章):マイケル・コルレオーネの最期の星降る夜にあの場所でのレビュー・感想・評価

5.0
監督自身が公言していたオープニングは、よりGF(1972)の構成に寄せるために従来のGFⅢの冒頭約5,6分はがっつりカットされ、アンドリューを見送った後のシーン(この書き方なら複数回の鑑賞者以外ネタバレにはならないはず)からスタートされていた。
以下、丸ごとカットされているシーンもあるが、いくつかのワンシーンの冒頭もしくは末尾が少しずつカットされている(特に中盤以降)。
あまり書くとネタバレになるので、印象に残ったシーンを二つだけ。
ビトー・コルレオーネ財団の真の目的となぜ私を会長にしてパパの事業に関わらせたのか?とメアリーがマイケルに訊ねるシーン(音楽なし)にあのメロディが付け加えられていてグッときた。
もう一つはカロがルケージをメガネで殺害するシーンに一瞬ではあるが強烈な未公開カットが追加。
また、マイケルがメアリーにヴィンセントと別れるように促す(アンソニーも賛同)シーンで、メアリーの二つの『NO』と走り去るシーンは、こんなことならメアリーの好きなようにさせてやれば良かった…といったマイケルの後悔が一層深くなる演出として残して欲しかった。
それと、アルトベッロ大好き人間としてはモスカとの会話シーンがかなり割愛されていたのがちょっぴり残念(ストーリーには全く影響なし)。
そんな中、今回の編集で長年引っかかっていた一つの謎が解けた。
それはオープニングにも言えることだが、パラマウント側はあくまでも大ヒットしたGF&GFⅡにあやかり鑑賞者に解かりやすい映像をまんま余韻として残すことに固執したのだろう。
荒廃した湖岸の邸宅の様子とフレド殺害シーンが映し出される。
確かにマイケルにとって最も後悔している命令だったかもしれないが、GFⅢでのコニーの重要性を考えればカルロの殺害もインサートされるべきではなかっただろうか?
他にも色んな意味で中途半端なオープニング(今回の編集でスッキリ)。
謎というのはラスト近くのダンスシーン。
なぜ、メアリー→アポロニア→ケイの順序だったのか?
単に年寄りが夢うつつの中での回想シーンだったから?確かに何かを回想する時、自分でもきちんと時系列にはならないが…
ただあくまでも映画なのだから順番で言えば、メアリーを最初にするなら次はやはりケイがきてアポロニア。
もしくは時系列通り、アポロニア→ケイ→メアリー。
明らかに監督と配給側の意見の相違があり、どうしても前作と前々作の残り香を漂わせて終わらせたかった配給側の指示で仕方なく後からアポロニアとケイを付け加えたのでこの順番になったのだろう。
そしていよいよラストシーン。
ここでも数秒ではあるが、未公開カットあります。
この映像を観て皆さんは何を思うだろう。
監督の思いがしみじみと伝わるラストシーン。

今回は取りあえず普通に鑑賞したので、時間のある時に旧GFⅢと比較をしながら楽しんでみようと思う。
きっと新たな発見があるだろう☆彡


~追記~
GFⅣの話が浮上してきているようだが、その際監督はやらないにしても何らかの形でコッポラは携わるはず。
今回のCODAで、俄然以前構想していたGFⅣはGFⅡのような構成にしやすくなったはず。
GFⅣは1人でも多くの方々がCODAを鑑賞することで現実味を帯びてくる…
ということで、皆さん宜しくお願い致しますm(__)m