星降る夜にあの場所で

Setenta veces siete(原題)の星降る夜にあの場所でのレビュー・感想・評価

Setenta veces siete(原題)(1962年製作の映画)
3.9
以前検索したときには見当たらなかった作品が、いつの間にかに追加されてることがある。
監督や俳優のfanをクリックしておくと、関連の作品が追加されたときに知らせてくれるそうですね。
つい最近まで知りませんでした(笑)

本作は日本語で書かれたあらすじや解説等が存在しないようなので、いつもはスルーしている簡単なあらすじを書いてみます。

1人の娼婦が自分にあてがわれたいる部屋の天井に空いた内径5~6cmの丸い穴に怯えている。
客と寝ていても気になって仕方がない。
するといきなり女の過去の映像に切り替わる。
両親と3人で小さな飲み屋を切り盛りしている。
そこに1人の男がやってくる。
女は男に惚れたというよりどちらかというとこんな現状から抜け出したい願望があったのだろう(SEX目当ての可能性もあり)。
両親に黙って男についていってしまう。
男の家はまわりに何もない荒野にポツり一軒建っている掘っ立て小屋で、数匹の羊を飼っていた。
男の夢は水源を見つけて、農場を作ること。
家の前には枯れた井戸があった。
女は6メートルぐらい掘ってみたら?と男に提案する。
1人じゃ無理だと男は答える。
ある日、とあることがきっかけで井戸を掘るための助っ人ができた。
数日後、男はその助っ人のガンベルトの中に結構な大金が入っているのを発見し、
「あいつを殺して金を奪い、肥沃な土地を購入しよう」と女に協力を求める。
一方助っ人の男は女に惚れていて、一緒にここを出ないかと誘いをかける。
男2人が其々の願いを叶えるために使おうとしている小道具が深く掘った井戸…
女はいかなる決断を下すのか?

過去にとんだ後もちょくちょく現在に切り替わる演出なのだが、そこでの映像は娼館で男女が絡んでいるシーンばかり。
当時のアルゼンチンの倫理観なのか、バストトップ・お尻の割れ目は頑なに写らないよう配慮がなされていた。
背景は短いドンパチワンシーンのみの西部劇風で、全編に流れている空気は非常にドライ。
邦画でいうところのATGのような雰囲気。
私も含めてハマる人にはハマるでしょう。
クライマックス(しかも地味)まで、これといった盛り上がりもなく淡々過ぎていく作品なのではあるが、強烈に印象に残っている。

この監督の他作品が気になる。
フィルムノワールなんか撮ったら、いい線いきそうな気がする☆ミ