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マーメイド・イン・パリのsymaxのレビュー・感想・評価

マーメイド・イン・パリ(2020年製作の映画)
3.6
恋は、"激痛"…

恋を知らぬ人魚ルラと恋を捨てたガスパールの二日間…

それまで、美しい歌声で男を魅了し、恋に落ちた男の命を奪ってきたルラでしたが、ガスパールにはルラの歌声が効きませんでした。

徐々に二人の距離は縮まり、そして…

パリを舞台にしたそれはそれは夢のような御伽話〜冒頭、アニメから現実へ繋がり、そしてアニメに終わる展開は一つの絵本を読んでいるかのようです〜と思わせておいて、病院でのシーンやバーを売りに出す等、現実的な部分もあり単なる御伽噺でもないところが、それもまた肝。

飛び出す絵本やガスパールの部屋にある小物一つ一つ、また秘密基地のようなバー、録音ブース、ハーモニカ、猫、真珠の涙、トゥクトゥク…登場する小道具のセンスの良さは流石です。

なんとなくジュネ&キャロの世界観に似ているような印象を受け、私好みの世界観であります。

ストーリー展開にはそれ程起伏がある訳ではありませんが、尺もテンポもよく、物語に飽きませんし、台詞一つ一つ奥が深く、実にフランスらしいのです。

あ、でもフランス語っていうのは卑怯です。
フランス語の響きだけで、そりゃあもう…ホント卑怯です。

ルラを演じたマリリン・リマの美しさと可愛さは、人魚という非現実な存在に説得力を持たせ、本作を魅力的にしていると思います

ホアキン・フェニックスなんで出てんだ、えらい老け役やなーなんて思ったら、久々スクリーンで見ましたチャッキー・カリョ…

ロッシ・デ・パルマといい、脇が非常に豪華なのね…
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