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NO CALL NO LIFEのkazataのレビュー・感想・評価

NO CALL NO LIFE(2021年製作の映画)
2.5
なんとなく気になっていた"痛み"を抱えた青春系ラブストーリーをウォッチ!

まず、二人が出会って惹かれ合うシーンは……濱口竜介監督作『寝ても覚めても』を見たのかな?笑
だとしたら、もうちょっとスマートにやってよ!
直前の子役との余計な芝居なんていらないから……ってか、このシーンから映画を始めたっていいぐらいかと。

そう、全てを見終わって本作に言いたいのは「説明的で余計なことが多すぎる!」ってこと。やたらと冗長(説明セリフだらけ)&無駄にもったいぶってばかりでダレる(謎っぽくしてるけど、観客がとっくに気づいていることに気づかないキャラをひたすら見せられるのって、キャストのファン以外は拷問だから!)から、常に"倍速視聴の誘惑"との戦いでした(笑)

単純に「謎の留守電の相手の正体に気づくまで」が長い!
(物語の導入部分なのにそれに気づくタイミングが観客と主人公の間で一致しないことがとにかく苦痛…)

あと、主人公のキャラのリアクション間違いが酷いと言うか、「もしかして主人公ってメメント?それともサイコパス?」って心配になるぐらい「あなたが常日頃から気になっていることに関して、今目の前で大事なこと言われてるけど気づいてます?」の連続で、それを見せられているこっちの精神が発狂しそう。
(後に明かされる秘密のためのキャラ設定なんだろうけど、その秘密も当然早い段階で予測可能だし!)
(「低体温&スローなキャラ設定=各シーンをダラダラ&グダグダ描写」じゃないから!)

"留守電を一方的に受け取るだけ"だったのが、途中で"双方向で通話可能"になって、さらに"もう一人別の相手との通話も始めちゃう"んだけど……ちょっと待って!そのことと、現在進行形で起こっていることが、特にリンクしてないってどういうこと?
(こんだけのファンタジックな仕掛けですら状況の"説明"でしかないって……とんだ奇跡の無駄遣い!)


(以下、クライマックスに触れます↓)


そして、突然始まる悲劇的なクライマックス……もしかして、一時期流行った携帯小説の実写映画化企画ですか?
(調べたら携帯小説じゃないけど、『恋空』と同時期頃に出版されてました……だったら尚更、ホリプロ60周年企画&企画者も監督も20代で、なぜ今これを選んだんだ?それこそが最大のミステリーだってば!笑)
(悲劇的な展開を誘発したいがためだけの教師の最低発言のあり得なさとかね…それを言わせたいなら、もっと"日常的な彼女の問題児っぷり"を描かなきゃ!ってか、出席日数の足りなさ&タバコぐらいで彼にあれほどの嫌悪感を抱く学校や同級生の異常さの方が怖い…笑)

"海"からの"水"押しの演出はことあるごとに頑張っていた(学生映画『溶ける』の頃からの継承…)けど、だったらクライマックスはもっと"血"の描写が大事じゃないの?どうせなら、彼女の手が真っ赤に染まるぐらいやってよ!

あと、"傷"の演出もちゃんとしましょう!
例えば、彼の右手を怪我させちゃった後で、彼と初めて手を触れるシーンが怪我した右手なのはいいんだけど、なぜそこをちゃんとヨリで映さない!!
(その前のシーンで、絆創膏が貼られた彼の右手のヨリを映してたじゃん…そのフリを生かせないから、単なる説明カットにしかならないんだよ!!)
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