ゆめちん

サン・セバスチャンへ、ようこそのゆめちんのレビュー・感想・評価

3.5
サン・セバスチャンへ、ようこそ
 
"お酒は体に良くないけど、心には良い"
 
"レイニーデイ・イン・ニューヨーク" 以来のウディ・アレン監督作品で、公開前から楽しみに。
例の件があり、かつてのような豪華キャストが揃わないのは致し方ないところか。
 
アメリカ・ニューヨークの大学教授で売れない作家のモートは、映画の広報担当である妻スーの浮気を疑い、彼女が仕事で訪れるスペインのサン・セバスチャン映画祭に同行する。
 
良くも悪くもいつものウディ・アレン映画という感じであまり新鮮味はないが、作品が醸し出すその独特な雰囲気がどこか心地よい。
 
ヨーロッパの巨匠が手掛けた名作映画を愛し、ハリウッド映画を毛嫌いし、若い女性との新たな恋に胸をときめかせ、車がパンクしても修理ができないモート。まさにウディ・アレン本人の自伝かと思うような本作は、少し前だったら監督自身がモートを演じていたのではないかと思うほど。
 
見どころは、フェリーニ、ベルイマン、ゴダールなどが手掛けた名作へのオマージュをこれでもかと盛り込んでいるところ。それらを主人公の夢や妄想として、突然モノクロかつスタンダード映像となって登場させるアイデアがなかなか面白い。
 
ただ1つ残念なのは、主人公が一心不乱に昔の日本映画について語る場面での同席者の反応が、日本人としては少し残念。
ジーナ・ガーションは最近観た "サンクスギビング" でもいい味を出していたが、熟女キャラでこれから映画出演が増えるかも。
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