みどり

恋人はアンバーのみどりのレビュー・感想・評価

恋人はアンバー(2020年製作の映画)
3.5

誰も自分のことを知らないところへ行きたくない?

女の子に興味を持てず、自分の性的指向を認められずにいるエディ
いつもレズビアンだと蔑ろにされ、ひとりぼっちのアンバー
彼女がいない、そういう経験がなければゲイだと罵られ、肩身の狭い思いをしていた彼を
アンバーは放っておけなかった

ふたりはクラスメイトからのひどい扱いから逃れるため、付き合っていると嘘をつく

ハグをしたふり、すればみんながカップルだと認めてくれるし、それとなく話を合わせておけばゲイだと言われることもない
ほんとは彼女じゃないけれど、アンバーが隣にいてくれるとすごく心強い。

はじめはよかったし、うまくいってた
一緒にいることは楽しい。
恋愛対象ではないから気が楽だし、アンバーのことは友達として好き

でもアンバーは?
彼女は彼女で気になる相手と出会うし
自分が好きなのは女の子、だということに変わりはない。
ずっと恋人のフリ、ではいられない…

舞台は同性愛が違法ではなくなってから2年後
1995年のアイルランドは差別や偏見が根強かった

アンバーの中でエディは恋愛対象ではないし、もちろんエディもそう。
決して一緒になることはできない2人だけど…
このままだったら自分が自分じゃなくなってしまう
まだまだ生きづらかった時代に
ずっと街を出ることを目標にして
大事に大事にしてきたものを全部あげちゃうくらいアンバーからエディへの愛を感じずにはいられなかった
2人の間にはほかの人が入り込むことのできない特別な愛があったと思う

他人なんか関係ない
あんたの人生だよ


アンバーの言葉は偉大
だけど必死にあの時代を生き抜こうとしてた彼女とエディに、自分らしくいること、
大事だけど何よりむずかしい…けれど自分に正直でありたい。
みどり

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