みどり

異人たちのみどりのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
4.5

ゲイよりクィアのほうがいい も
クィアだから孤独なんじゃなくて孤独は元々あるもの、なんて言葉がもうずっと心に残っている


ロンドンのタワーマンションに住んでいるアダムが出会ったのは不思議な魅力を持つハリー
徐々に自分のことを話しながらお互いに惹かれていく過程、上から地上を見下ろすシーンは
Weekendを思い出させるような、監督自身のセルフオマージュにも見えた

ちゃんとお別れできなかったから、心にずっとしこりのように残り続けている
だからいつまでも忘れられなくて、取り憑かれたように思い出してしまうのかもしれない

思い出に会いにいきたくなったその先で
亡くなってしまった両親に出会えたら…
驚くより先に、夢みたいにうれしくて。
大きくなったねと成長を喜んでくれたり
昔は伝えられなかった今カミングアウトをしたり
複雑そうで心配性の母と泣きながら抱きしめてくれた父の対比がなんだかちょっと意外だったり。

誰も寄り付かないマンションを見るに
きっとふたりはもうこの世にはいないのだろうと思う
アダムが部屋に入り、扉の先をみてしまったことは心の奥に触れたのかなと思うし、ハリーは本当の自分を見つけてくれる人をずっと待っていたような気がする
過去と対峙して、正面から向き合ったからこそ踏み出せる一歩と自分を大切にしてくれる人との出会いの物語だと思った


わたしたちはみんな異人で変人で、ひと括りにはできない存在

always on my mindの使い方ずるすぎる
みどり

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