構成はフォレストガンプのようで、雰囲気はニューシネマパラダイスっぽい。最後まで船から降りなかった(降りられなかった)、1900の生き様は、作り物の世界から是が非でも出たかったトゥルーマン・ショーの主人公を思い出した。
親友から手を差し伸べられても、船から外の世界(陸)に最後まで踏み出せなかった1900と、外に出たくても、周りに邪魔をされて抑圧されていたトゥルーマンの両者だけど、2人が逆の世界線に生きていたら、幸せに生きられていたのかもしれないな。
ラストで1900が親友のマックスに降りなかった理由を打ち明けた時の
「あの通りを見たか？何千本もある！その中からどうやって1本の道を選ぶというんだ。1人の女性、1つの家、自分の見たい風景、死に方・・・をどうやって選ぶと？」のセリフがとても印象的。
要は知らない世界に一歩踏み出す勇気があるか、ないか。1900に限った話ではなく、都会や未知の世界に出るのは怖いからと、ずっと地元に留まる人も同じだと思う。別にこれが悪いとは思わないけど、外の世界を知らないと、井の中の蛙に、無知で面白味がない人間になるし、色々な場面で勇気を出せなくなる。失敗してもいいから挑戦して、ダメなら帰ってきて良いんだ。
とはいえ1900の境遇は特別過ぎて、自身のアイデンティティに悩んだり、それを誰からも理解して貰えなかったりと、単に勇気がなかったから、という問題だけではない気もする。船が爆破される最後の最後まで、降りなかったのも、人生の全てを過ごした船＝自分のアイデンティティ、人生そのものだから、降りるなんてことはしなかったのかな、と書いている今思った。
炭鉱現場での「ダニーブードマンTDレモン1900〜！！」
自由の女神を見つけた時の「アッメ〜リカ〜〜〜！！」
「タバコは吸わないからどうぞ」
好きな場面も多かったな〜。1900のピアノも本当に楽しかった！また好きな映画が増えました。
PS.ラスト20分くらいで映写機の不具合で上映中止になって、残りはレンタルして見ました。お詫びに返金と招待券を貰ったけど、初めての体験でした。
