NHKスペシャルの未解決事件 Fileで“下山事件”をやっていて、のめり込んで観ていたら、映画もそれっぽいのが観たくなって、手持ちDVDの中から本作を選んでみた。
高橋一生演じる、福原優作は貿易商だ。福原物産の社長である。その妻が蒼井優演じる聡子。
太平洋戦争が目前に迫っていた時代
本作のタイトルにある通り、優作の妻、聡子にスポットを当てた作品である。優作が何を思って、そのような結末を選んだのか不思議だが、妙に納得する部分もある。
タイトルの“スパイ”は、優作がスパイとして活動していたというわけではなく、これからなることを示唆しているように見える。一方で優作は、始めからスパイだったのかなぁとも思ったり。
ある時、仕事で満洲に数週間行って帰ってきた優作の異変に気付いた聡子。
夫に何があったのか
夫は満洲で何を見たのか
夫の変化は聡子にも変化をもたらす。
双方に精神面と、さらには環境をも変えざるを得ない変化をもたらしたものとは…
史実だから、ネタバレになるのか分からないけど、関東軍の731部隊が行っていたこと、つまり人体実験は、森村誠一が書いた『悪魔の飽食』に詳しい。
何かと巷を賑わせる男、東出昌大も憲兵役で出演してます。でっくんはもう少し背筋をピンと伸ばした軍人らしさが欲しかったかな。
聡子の幼なじみながら、福原夫妻を追い詰めるでっくん。声が可愛らしいので、どうしても、コンフィデンスマンJPのボクちゃんのイメージが抜けない(不倫のほうじゃないよ)。
しかし、731部隊に個人的に興味があったのと、スパイものが大好物なので、楽しめたなと思う反面、それらの描写は少なかったから、大満足!には一歩及ばなかったなぁ。