前半から中盤にかけては、おもしろくなくて、何度も観るのをやめようと思った。なんとか、2週間くらいかけて観終わった。(途中、中断したまま放ってしまった)
放ってたくせに、10日振りくらいに再開したら、おもしろく観られた。単に気分の問題だったのかも。
少女から大人になる、ちょうど人生を自分で切り拓く責任と覚悟を持ち始める時期を描いた作品。
高校生のクリスティン…自称レディ・バード(シアーシャ・ローナン)と母の意見は、進学のことにしろ、生活のことにしろ、ことごとく合わない。
そんなもやもやっとしたもどかしさと青春の白黒はっきりした溌剌さがアンバランスだけど、それこそがまるごと青春なのだ。
大人ではないけど子供でもない
中途半端な自分にイラつく時期
レディ・バードの母は「あなたに幸せになって欲しいの」と言う。それに対してレディバードは「今が幸せだったら?」と返す。
そう。母が娘を思って言ったことは、レディ・バードの「今」が幸せではないという前提があっての発言と受け取られてしまう。曲解だとは思うけれど。
そんな細かい描写があちこちに
散らばっていてとても印象的だった。
レディ・バードは学校での悩みも尽きない。親友ジュリーとちょっとした見栄から仲違いして、校内で大喧嘩をする。
恋愛にしたって、惚れっぽいくせになかなかうまくいかないところにもリアリティがあった。理想と現実の乖離。先走り。焦り。思い込み。
最終的には親友のジュリーとの友情も取り戻したし、青春のほろ苦さと希望がうまく表現されていた。
いろんな要素が詰め込まれていて、でもそんなにぎゅうぎゅうでもなく、行間もありながら、遠い昔を思い出させるような作品であった。
レディ・バードのお兄ちゃんのミゲル。
なかなかの男前だったなあ。それにパンクな彼女の異質な感じもギャグっぽくて、おもしろかった。
そして日陰の存在だったお父さん!
ナイスアシストでした♪