健一

FLEE フリーの健一のレビュー・感想・評価

FLEE フリー(2021年製作の映画)
4.8
FREE(自由)ではありません。
FLEE(逃げる、避難する)です!

本年度アカデミー賞にて 史上初 国際映画賞、長編ドキュメンタリー賞、長編アニメーション賞の3部門同時ノミネートの快挙を成し遂げた作品。
登場人物たちの安全を守るためアニメーションで制作された本作。
タリバンとアフガニスタンでの恐ろしい現実、祖国から逃れ奮闘する家族の過酷な日々、ゲイの青年が過去のトラウマと向き合う姿 などを力強く描いた力作‼️

アカデミー賞授賞式にて各部門で本作が紹介されるたびに会場から割れんばかりの拍手と喝采が溢れた。
一部門も受賞出来なかったのが残念でならない。

アミンは幼い頃 父親がタリバンに連行されたため 家族と共にアフガニスタンから脱出する。
やがて家族はバラバラになり単身デンマーク🇩🇰に亡命して30歳半ばを向かえるアミンは 男性との結婚を望んでいた。
彼には長い間 誰にも話せず抱えている秘密があり ある日 友人に自身の体験を語り始める・・・

実話であり、アニメーションであり、ドキュメンタリーでもある。
『映画』で こんな体験、恐らく初めてかもしれない。
本作の製作陣に心からの賞賛を送りたい。
こんなに『恐怖』と『怒り』と『絶望』と『希望』をひとつの作品で味わえる映画は「シンドラーのリスト」以来かもしれない。

『世界の人々にこの史実を伝えたい。』
『絶対言えない秘密がある。』
『自分らしく生きるって・・・何?』

亡命者、そしてゲイ。
どんなに辛かっただろうか。
家族の命が奪われる。イスラム教徒の多い祖国アフガニスタンでゲイなど許される訳がない。
外でも苦悩、内でも苦悩。たまらない。
本作をアニメーションにした理由がようやく分かった。
とは言え、よく本作として映像化してくれたものだ。その勇気に敬意を払いたい。

とんでもない傑作が登場してくれた。
本年度国際映画賞受賞作は
「ドライブ・マイ・カー」?
数100倍 本作のほうが素晴らしい。

すべてを吐き出してくれたアミン。
今はどんな心境だろう・・・

アミン。 どうか 心安らかに。
『愛のかたち』は様々。
今後は恋人と幸せな日々を過ごして欲しい。


2022年 6月10日 公開初日 8:20〜
グランドシネマサンシャイン池袋screen 10
💺152席
客入り 15人くらい。

夜勤の人がここ最近 病気で休んでしまって私がずっと代役で勤務しています。
現在、日常生活がめちゃくちゃなため せっかく皆様から嬉しいコメントを頂いても返すのが相当遅くなってしまっている状況です。
コメントくださる方々。
本当にご迷惑をおかけいたします。😞

鑑賞後、出社。🚶‍♂️
健一

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