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Summer of 85のninaのレビュー・感想・評価

Summer of 85(2020年製作の映画)
4.5
「僕が死んだら僕の墓の上で踊ってくれ」

映画の感想をこの言葉で表すの嫌いなんですがこれは言わせてくれ。
「えっも!!!!!!」
フィルムカメラで撮ったような画質の粗さ、夏の青、風にひらめく原色のシャツ、2人乗りのバイク、美しい夏の夜、えもいの全てを詰め込んだかのような作品だった。良作すぎる。

私はアレックスの性格と似てるから、「僕の定義において愛だった」とか「彼と過した全ての瞬間を触れていたかった」とかもう刺さる言葉だらけで、映画に出てくる言葉でこれほど共感したことはないんじゃないかってくらい共感した。
ただ、この映画のいいとこは理想だけを詰め込んだわけではなくて、現実もしっかりみしてくれるところ。理想の親友に見えた相手は、自分がそういうフィルター越しにしか相手を見てなかったから、性格まで理想とは限らなかったんだよね。
重すぎる愛には不釣り合いだった。超現実あるあるでしっかりメンタルきました。
でもなぁ、ダヴィドも少なからず今までの相手よりアレックスは本気だったと思うんだよなぁ…。だって本音を打ち明けた時泣いてたし、そのあともバイクで追っかけてきたわけだし、何より「墓の上で踊ってくれ」なんてイカれたお願いするくらいだもん、本気だったでしょ(希望的観測)
アレックスが約束を守ろうと足掻くとこ、めっちゃよかった…。本音を打ち明けられてもそれでもなお縋りつくというか、自分の定義の愛を貫く感じがよかったなぁ。

一生分の恋をしたと思ってもまたいつか必ず恋は訪れる。でもあの85年の夏のような体験は二度とできない。その切なさがしっかり描かれてるけど、そこまで暗いじっとりした印象にならなかったのはやっぱり映像美とサントラの良さのおかげかもしれない。主演の俳優2人ともとっても美形で見るだけで保養になる映画だったからたぶんまた何回も見返す、とにかく良だった。
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