ちき

マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙のちきのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

切なさや寂しさ、空虚さを強く感じたのが驚きでした。
「鉄の女」と呼ばれた所以を中心に描き、彼女の強くかっこいい側面を押し出すのかと思ってたので…

もちろん鉄の女らしく強い大統領の姿も描かれてました。
民衆を敵に回しても、国のために誇りを持って決断を下す彼女の姿はカッコよかったです。

物語は大統領を辞めてボケてしまった現在で、自分の半生を思い返すというもの。
この構造がもう切ないですね。
ヨボヨボになってしまっている彼女と野心バリバリ、まさに鉄の女だった彼女が交互に出てくるのはどこか虚しさを感じさせました。

亡くなった夫の亡霊の存在も切なさを感じさせましたが、彼がめっちゃ明るいキャラだったので画面に写ってるときはなんか安心しましたね。
それ故に最後、マーガレットが彼の亡霊と別れるシーンはめちゃくちゃ寂しかった。

また、彼女の孤独さも強く感じました。
現役時代も青い服を身にまとう大統領に対し、周りいるのは黒服の男だけ。
どのシーンでも彼女は一人で戦ってたし、彼女自身の強さと当時の時代も相まって、彼女の人生は孤独だったんだなぁと感じました。

最後、消えゆく夫の亡霊が残した言葉は、彼女の孤独さと強さを両方表していたような気がしました。
ちき

ちき