椎良

パラサイト 半地下の家族 (モノクロVer.)の椎良のレビュー・感想・評価

4.7
『これが偽造や犯罪とは思いません。来年、この大学に入るから』

〈"半地下"に住む貧しい家族は、金を得る手段を求めていた。
息子・ギウが家庭教師の仕事を紹介されたことをきっかけに、家族はその勤め先である豪邸から恩恵を得る為の計画を立てるが…〉

カラー本編は劇場で観てる。見放題の期限も迫っており、流し見感覚のつもりが気付けばのめり込んでいた。
折角の機会なので内容も改めてレビュー。

やはり最高のブラックコメディ。洒落にならん要素も多く、笑わせながらもズバズバ刺してくる。この映画の特徴は、展開の目まぐるしさにある。乗っ取りパートはスパイ映画みたいで面白いし、楽園が一転する地下室パートはサスペンスフル。
似た者同士が縄張り争いで対立し、その後になって同情が湧いてくるという流れがリアル。無自覚な差別意識を、大雨や匂いを通して描いたのも絶妙なところ。怒涛の終盤には脳が揺さぶられた、顛末までもがどうしようもなく皮肉。

白黒が差し込む光や雨、血液などの印象的な要素をより引き立てる一方で、カラー版の色味も良いなと思っているので(雑多な食事やスローモーションのシーン等)、ここに関しては各個人の好みというところ。
吹き替えだと裕福奥さんの会話シーンが爆笑ものだったw

劇場で観て以降はコロナ禍の期間もあり、色々な映画を見てきたつもりではあったが、それでも見直してかなり面白いと感じた。
椎良

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