なんとも表現の難しい作品。
1970年制作、ジャック・ニコルソン主演のアメリカン・ニューシネマ。
当時、ジャックは30代前半なのに、額のシワがそれ以上の年輪の深さを感じさせる。それが彼の色気でもあり。
上流階級出なのに落ちぶれて鉱山で働いている、それでいて30過ぎて結婚に抗っている若気という出自を見事に体現しているのは、さすがとしか言いようがない。
イイトコロのお坊ちゃん風が、とても似合うジャック・ニコルソンを初めて見たかもしれない。
途中のロードムービー的なエピソードは何だったんだろうか。
あの環境保護かぶれヒッピー。都会は薄汚れていると、タバコ蒸しながら言う辺り、全く説得力なくて笑える。
良家から落ちぶれて、やさぐれきれず、大人にもなりきれず、フワフワとしつつ、なんかに抗っている。
それがニューシネマなのか、70年代のアメリカの若者なのか。
最後はなんとなく消化不良。
それでも、ジャック・ニコルソンの名演技だけで、見る価値のある作品。