Pam

ドント・ルック・アップのPamのレビュー・感想・評価

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)
4.1
予告編を見て、シャロメとアリアナ・グランデをどうやって使うのだろうと思ってたら、思いの外まともな使われ方だった。。実はシャロメ、いいとこ取りしてるんだけど。どうせなら最後のお祈りのセリフはフランス語でやってほしかった。そしたらみんなの尊敬度もっとアップするのにw

いやー。おもしろかったわー。

コロナパニック、温暖化のおちょくり。

役者全員が達者な人ばかりで誰も無理してこの役に入っているとかそういうの一切なし。

とにかくジェニファー・ローレンスが『アメリカン・ハッスル』以来のあのオラオラ感でやってくれるのはファンとして嬉しい。彼女はおおきいほっぺで叫ぶのがいい。それにしてもこの話よくできてる。しかもジェニファーのケイトのセーターが実は刻々と変わるのも編み物ファンとして見逃さなかった。最後のシーンは手編みぽくっていい感じだった。『ナイブスアウト』のアメリカンヒーローが着ていた毛糸のセーターに相当するかなりいい質だったと思う。

あとジョナ・ヒルのあの弱いずるさが最高。スネ夫は万国共通。ウォースストリートの魚のフンみたいにレオ様にくっついてたあのおでぶちゃんがこんな中年チャラ男でまた帰ってきてくれたのは嬉しい。彼が言う
「おめーら労働者、俺ら上流、ほんで、俺らとアイツラたたかうの。それ応援してくれるのが君ら労働者」っていうのが最高。本当にそんな感じで分断されてるのだろう。

デカプリオは8割おじさん。テレビで易しく喋ろうとして失敗。キャラ化されてしまい、子供番組の先生と都会のニュースキャスターの火遊びの相手にされてしまう羽目に。私達は科学者を必要以上にバカにしてないか?その問いもぐさりとくる。

いやはやとりあえずこの話は、すべてがもりだくさん。SNS、薄くマスコミ、有名人、女、嘘、パニック、アルゴリズム、選挙、分裂、コロナ前とコロナ後じゃ全然見方が違うことに気がついた。コロナ前ならこんな笑えないよ。いやコロナとトランプで一気にネタが増えたのか。。

そう、私達はもう体験したのです。コロナもトランプもイーロン・マスクもスティーブ・ジョブズも。そして今も現在進行形



それにしてもあたしのケイト・ブランシェット様やりすぎ。もう好き。苦しくなるほどケイトの美しさに萌えましたわ。しかし彼女だからこそデカとちゃんといちゃいちゃできるのよね。デカも教授の役だけど実はよく見るとかっこよくできているというオチ。まぁ、デカ様の息子役の役者と多分同年代なんだろうなぁと思いながら、デカ様を眺めてしまったわ。

私はいつも俳優を見てる人だからこれはこれで楽しかったけど一つ一つのアイテムもかなりおもしろかった。デカ嫁も先日見た「この世に私の居場所なんてない」の彼女だし、あのCEOもよく見ると「ダンケルク」のぽんぽん船の船長じゃないですか!!!みんな主役級がこうやって脇役をかためるんだから、唸らせるね。しかしこのCEOはアメリカ人にとって生ける神なんですね。いや私達にとっての神。彼の一言や表情によってマーケットが上下するんだもの。彼のデカに一言放つ場面も秀悦。一瞬だけマジ顔になるCEO。それホンマに、あのホモサピエンスのハラリ先生の世界。ドキドキ。


誰も笑えない。でも笑っちゃう。この軽さ。

すべてが大笑いの連続だけどデカとジェニファーがコンサートの司会をしてるのは吹いた。実際本当にやりそうだし。。

たとえAIで私達の高い確率はわかってても実際パンデミックや隕石とかになるとすべてが統計外。。万能と思われてるアルゴリズムさえわかってない。

なんでも持ってるんだよ。最後のデカのセリフに全てがつまってる。愛すべき仲間との最後の晩餐もよかった。本当にそうなのかもしれない。私達のあがきはもう無意味なのかもしれない。


これ、もう一回みたい。メリル・ストリープはもう使い古しすぎでちょっと疲弊気味。音楽は良かった。
Pam

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