Pam

Civil War(原題)のPamのレビュー・感想・評価

Civil War(原題)(2024年製作の映画)
4.2
2024年に見て「ああ近未来のSFだよね」ってどっかで思ってるかもしれないけど、あと2年後これを見たら「現実じゃん」っていってるかもしれないところがこわい。

正直もうついもうすぐな気がしてならない。

そういう設定ね。

本当に市民戦争が近日米国で行われるのではないかと。

キルスティン・ダンストのずーーーーっと不機嫌な顔がそれを表している。映画的な人工的な綺麗さをかなり抑え、写真的な美しさを追求している。


とにかく設定が市民戦争中のアメリカ。ガンガン人は殺される。もちろん何度も見ながら「おちつけ、これは映画だ。映画だ」って自分に言い聞かせるような映画よ。

銃撃戦になったとき、Lee(キルスティン・ダンスト)が地面に伏せて隠れてるんだけど兵士の銃撃戦を遠くで眺めて自分の近くの雑草の花を眺めているあのショットがすごく良かった。いくら2m先で殺し合いが行われていようとも自分の心の中では美しいショットを探している。口癖のように「Clicheを狙え。写真を取れ」と後輩にもいう。

あと怖いのは、旦那のジェシー・プレモンスの狂気ぶり。

「おまえどこ?」
「香港っす」
「中国だな」

で迫る展開。

これは米に住むアジア人全員が震え上がったシーンだろう。いや、欧州だって似たようなものだ。

優先的に殺されるのはこの映画で有色人種だったことを見逃してはいけない。A24がつきつける不条理。
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