モノクロでかつ佇まいが「イーダ」のような静けさ。
旧東欧諸国と呼ばれた国々を舞台にしたものは、市民の片隅レベルまでの監視社会を支えた保安局的な人物が登場する映画をよく見る。(特にドイツ映画でのシュタージはほんとにわんさか)
舞台は1980年のブラチスラバの神学校に入校する2人の神学生が別の道へ進んだことによる悲劇を描いている。神学校での静かな日常を映し出しつつも、掲示板の反国家的チラシをきっかけに日常下にうごめく懐柔や反逆、神学生が通う地下教会活動家の虐殺とさまざまな事件が起こるのだった。
ビロード革命の数年前を描いたものなんだが、まるで1950年代か60年代?と感じる冷ややかさ。
共産党支配下で宗教人は神だけでなく国家に支えることで生き延びたことは他国でも同じ運命を辿ったのだろうなと容易に想像つく。