健一

マイ・ニューヨーク・ダイアリーの健一のレビュー・感想・評価

3.0
『私のニューヨーク日記』。

カナダ🇨🇦アイルランド🇮🇪合作の作品ということで。
ちょっと珍しい組み合わせ。
「プラダを着た悪魔」とは 打って変わって アメリカかぶれ していなく 静かで暖かい『大人の映画』でした。

『プラダを着たリプリー』?😅

「ゴーストバスターズ/アフターライフ」に ちょっこり 出ていたが ガッツリ とシガニー・ウィーバーを見るのはかなり久しぶり。
年末に公開される「アバター」の続編の撮影が大幅に延びた(中断し遅れた)のが原因なのでしょう。
さすが『大物の貫禄』!
あの作品のメリル・ストリープに負けず劣らずの立ち回りでした。
2年前。コロナ禍直前に開催されたアカデミー賞授賞式にてブリー・ラーソン(キャプテン マーベル)、ガル・ガドット(ワンダーウーマン)と3人で壇上に現れたシガニー。
『私たち(女性スーパーヒーロー)を導いてくれるシガニー・ウィーバー。私たちは本当に光栄です。こうして あなたの横に立つことができるなんて!』
とシガニーを絶賛した。
そんなリプリー.......じゃなかったシガニー・ウィーバーは今回出版エージェンシーのボスを静かに そして重圧に演じている。

1995年。NY 🗽。
作家を夢見るジョアンナは出版エージェンシーで『J.D.サリンジャー』担当の上司のアシスタントとして働き始める。
仕事は毎日大量に届くサリンジャーへのファンレター💌に返事を送ること。
内容は『彼は手紙なんて読みません。』と。
素気ない日々。そんな時サリンジャー本人から電話がかかってくる・・・

物語の設定が90年代なのが まず心地よい。
スマホもSNSも無い時代。人々の暖かさが妙に伝わってくる素晴らしい演出。

『ライ麦畑でつかまえて』とその著者サリンジャー。
このふたつのキーワードの知識が深いか浅いかで本作の『思い入れ度』が大きく左右される作品なのかも。
まぁ、知らなくても『田舎娘の都会でのサクセスストーリー』としても十分に楽しめる。
本に感銘を受けその想いを手紙に託す。
しかしその想いは全く届かない。
その 狭間 で揺れる主人公の女の子から目が離せなくなる。
作家になりたくて田舎から上京してきたのに。
『私は今、何をしているの?』
この迷いは現代の我々観客たちにも十分に伝わってくる社会に生きるみんなの悩み。
ファンレターを送る人々の描き方が面白い。
なかなか凝った演出。
主人公を演じるマーガレット・クアリーも若い頃のアン・ハサウェイのようになんとも イキイキとしていて可愛らしい笑顔。

派手さはないが、しっとりとした大人の作品。
秋に公開したほうが良かったかな?


2022年 5月12日 11:00〜
Bunkamuraル・シネマscreen 2
💺126席
客入り 30人前後。

オードリー・ヘプバーン vs シガニー・ウィーバー。
勝者はオードリーでした。😅
隣のスクリーンで上映していたオードリーのドキュメンタリー映画は ほぼ満席だったようです。
健一

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