shiho

最後にして最初の人類のshihoのレビュー・感想・評価

最後にして最初の人類(2020年製作の映画)
4.5
事前情報なしで観てほしい!誰が「これ」をつくり上げたんだろう、この映像はどこからやって来たんだろう。制作の裏側が一切見えないまま、「本物」として受け取ってほしい。


【以下ネタバレ】


彼らの姿を見るまでは、なんの疑いもなくメッセージを聞いていた。けど彼らの姿を見た途端、「人類はこんな姿になって生き延びていたんだ」と隔たりを感じた。ちょっと恐ろしくて、でも言葉が聡く優しいから親しみも感じる。
そんな彼らが、建造物(スポメニック)の壁に蠢いていないかと、目を凝らしてしまう。この割れ目に居て、ひっそりと映ってるんじゃないか。この壁の裏には彼らの近未来都市があるんじゃないか。想像力を呼び醒まされる。

スポメニックのことを知りたくなった。戦争記念碑とは聞いているけど、誰がどんな意図で、あんな巨大で奇妙な形に‥

でもきっと、スポメニックのことを知れば知るほど、「スポメニックを順番に映した映像にヨハンの音楽を合わせたもの」にしか見えなくなる。「20億年後から届いた映像」とは受け取れなくなる。「これは何なんだ?」という新鮮さは一度きりだ。不思議な体験として、この映画の一周目を観終われてよかった。
shiho

shiho