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粛清裁判のギルドのレビュー・感想・評価

粛清裁判(2018年製作の映画)
3.6
【形骸化された儀式と群衆の感化】
スターリンによって行われた90年前の裁判をドキュメントし続けたドキュメンタリー映画。

裁判の記録映像と群衆の動きを意識的に交互に映した作風が印象的で、群衆の思想と当時の独裁者の思想へ染まることを強調した「見せしめの恐怖を描いた」作品でした。
罪刑法定主義を無視した「東京裁判」と似た形骸化された裁判の記録作品という印象が強くて、現代と大きなギャップを学べる意味で意義のある映画に感じました。


映画的な面白さがある訳でもないし、ドキュメント自体の新鮮な恐ろしさがある訳でもないけど社会のシステムを知った状態で、タルコフスキー作品のルーツを探る意味では良い勉強になった映画かな。

個人的にはこの作品を見た後にタルコフスキー作品の「ストーカー」をもう一度見ると考え方・見方が大きく変わる可能性があると感じる。
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