たけのこ

キネマの神様のたけのこのネタバレレビュー・内容・結末

キネマの神様(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

昭和初期の古き良き日本の姿がノスタルジックに描かれており、とても良かったです。菅田将暉くんや永野芽郁さんといった旬の俳優さんたちの演技も魅力的で、若い世代にも間口が広い作品だと思います。

男性目線では、思い出パートの二人の女優さんがとても魅力的でした。
北川景子さんは容姿はもちろんですが、物腰や言い草がいかにも往年の大女優という感じで、素晴らしいキャスティングでした。年老いた沢田研二と肩を並べるラストの数分間は、まさにキネマの神様というタイトルに相応しい濃密な時間で、涙が流れました。
永野芽郁さんも飾らない素朴な可愛さが北川さんとの良い対比となりとても魅力的でした。

ストーリー的には、ダメ男がダメなまま自分のことだけ自分で赦して(北川ビジョンは彼の心の中の願望?)そのまま逝っちゃった、ていう微妙な感もありますが、まあそこはいいかなって(笑)
淑子さんさえ満足であれば、外野があれこれ口を挟むようなものでもないように思います。

古き良き時代の撮影所の雰囲気がとてもリアルで、このような作品が撮れるのは当時を知る残り少ない生き証人であろう山田監督ぐらいなのではないでしょうか。
やがて人々の記憶から忘れ去られるであろう時代を記録する史料的な価値もとても高いように思いました。
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