kazマックスグローバーレッド

キャット・ピープルのkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

キャット・ピープル(1981年製作の映画)
3.8
黒豹の映画。黒豹と言ってもブラックパンサーでもなければ南海の黒豹レイ・セフォーでもない、ナスターシャ・キンスキー主演のエロティック・ファンタジー『キャットピープル』。人間とエッチして興奮したら黒豹になり人間を殺せば人の姿に戻れる呪われた猫族兄妹のお話。

再チャレンジ鑑賞です。子供の頃にゴールデン洋画劇場で放送してたのを両手で顔を覆った指の隙間から恐る恐る見ていたけど怖くて途中で断念。断片的に覚えてるのは檻の隙間から黒豹の手が出て人間の腕がちぎれるとこ。

制作はあのジェリー・ブラッカイマーで監督は『タクシードライバー』の脚本家ポール・シュレイダー。そして主演がマルコム・マクダウェルだったとは。ナスターシャ・キンスキーと並びどう見ても「ネコ科」にしか見えないマルコムのお顔立ち。この人の祖先はホントに猫族かと思うほど役にハマってます。
マルコム・マクダウェルが猫のようにヒョイっとジャンプする逆回し撮影も何の違和感なく自然に見える。

この映画に出てくるレンガ造りの動物園はユニバーサルスタジオに建てた屋外セットで随分お金がかかってるのね。

出てくる動物は本物の黒豹を使って撮影するも黒豹は夜行性で樹上性なので調教は不可能だから調教可能なピューマとキタシナヒョウの毛を黒く染めて代役を立てたそう。豹目線の映像でウサギを際立たせる為にウサギの毛まで染めるなんてどうなんだろう。

凶暴で安楽死させるはずだった豹を調教師が引き取ってこの映画に出演させたのはいいけれど撮影中に暴れて鉄格子に激突して頭蓋骨が割れたので結局安楽死させたって撮影エピソードもあってね。血の匂いに反応するから生理中の女性スタッフは豹から遠ざけてまで安全対策は取ってたのに何とも悲しい事故になってしまった。

調教師がついてたとはいえ色々と動物愛護の観点から今じゃアウトな事が多いこの映画。ただ音楽はめっちゃいいのよ。なんと言ってもこの映画の一番の魅力はデヴィッド・ボウイが歌う主題歌「Cat People」。オープニングのインストロメンタルからラストの歌詞付楽曲に至るまで全て良い。この曲は『イングロリアス・バスターズ』で初めて聴いて最近でも他の作品で使用されてたんだけど何で使用されてたか思い出せない。『The Boys』だったかな??せっかくフィルマに映画の記録付けてるんだからやっぱ劇中使用曲は小まめにメモしておかなきゃダメだね。

その他に気になったところは劇中にテレビでメロドラマが流れていて画面に写ってたのがローラ・パーマーのお父さんリーランド・パーマーだった。監督が既存のドラマを使用すると著作権が面倒くさいからこの映画の為にブラウン管の中のメロドラマを撮ったそうで。リーランド・パーマーことレイ・ワイズさん、ほんのちょっとだけのシーンの為にご苦労さまでした。