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ほんとうのピノッキオのワンコのレビュー・感想・評価

ほんとうのピノッキオ(2019年製作の映画)
4.0
【社会風刺も】

僕が幼い頃、絵本で読んだピノキオは、最初から良い子だった(と思う)。

でも、本来のピノッキオは、こういう物語だと、テレビの、”本当は〇〇”みたいな番組で見たような気がする。

だから、わざわざ「ほんとうの」と形容した日本語タイトルは、余計な気がしていた。

僕の記憶では、ピノキオは、クジラに飲み込まれたことになっていたが、大きなサメに飲み込まれんだよと、当時テレビ番組が解説していて、驚いたことを思い出した。

実は、原作のピノッキオは当時の社会を風刺しているのだが、この映画「ピノッキオ」もそうした場面はしっかり描いているように思う。

そして、それは現代にも通じるものがある。
だから、こうして、この映画は制作されたと思うのだ。

子供が希望を持てないような貧困や格差、無罪のものは牢に、有罪のものは釈放などが、それだ。
厳格なカトリック社会では、妖精がいるなんて異教徒の考え方だし、神ではなく妖精がピノッキオを人に変えた、つまり、これは、人々を苦悩から解放したというメタファーなんだけれども、こんなことは、カトリックを否定するようであってはならないことだったはずなのだ。

お子さん連れの親御さんもいたが、しっかりとした解説は必要だと思う。

親子で観ても良い作品だと思うけど、小さい子は怖いだろうなと思う。

そんな子は、大人になりたくないと思うかもしれない。
でも、ロバになるかもしれないのに😁

ずっと遊んで暮らしたい子供をさらって、ロバにするなんて怖いストーリーをよく思いつくもんだと改めて感心する。
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