もめん豆腐

星の子のもめん豆腐のレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
3.4
終わり方が自然。そりゃそうだよね。だからこそ根が深いんだよ、カルトは。
昭和世代だとカルトに関しては長いこといろんな意味で賑わっていたので怖さはよく知ってる人が多いんだけど、最近学生が騙されて入信させられてるパターンが増えているらしくて、各大学が警戒を深めているとの記事を読んだ。この映画も少しでもそうしたカルトに引っ掛からない為の啓蒙であって欲しい。水の件なんて、つい笑っちゃったけど、そこから信じ込んでしまって信者が犯罪を唆されて人生を台無しにした人がたくさんいるからね。特にオウムの場合は公安調査庁が特別にページを作って未だに警戒してるくらいなので、何かちょっと変だなと感じたら身近な大人か公安へ相談して欲しい。
この話でも、普通の暮らしをして、かつ、困っている人につけ込んで、ヌルっと入ってくる。お兄さん家族が何度も助け舟を出してるのに、その手を取ろうとしない。長女のことよりも宗教を重んじていて、観ていて悲しくなっちゃったよ。大切に想っていない訳ではないけれど、行動が伴っていないと相手には伝わらないという大原則もよく描けていた。
ちょっと残念なのが、こんなに地味な内容に実力派の役者が出てくれているのに、それを活かしきれてない気がしたところかな。良かったのは、芦田愛菜ちゃんと蒔田彩珠ちゃんという2大女性若手演技派を並んで見られたところ。彩珠ちゃんの10代の細かな感情の移り変わりを表現する能力が素晴らしくて、今回も目を見張った。
最後に、未熟な先生役をやらせたら当代一になってきた岡田将生さん。次はどんな未熟さを演じてくれるのか、楽しみだよ!
もめん豆腐

もめん豆腐