「パラサイト」にも出ていたパク・ソダムが主演。訳ありの荷物を専門とする運送屋のドライバー、ウナを演じている。
冒頭から「ワイルドスピード」ばりのアクロバットなカーチェイスを繰り広げてツカミはOKという感じだが、本作の見どころは、中盤のとある事件をきっかけに同乗する事になった賭博ブローカーの息子との逃走劇にある。
まだ幼い息子にウナを「おばさん」と呼ばせたのも確信犯。おばさんと少年による逆「レオン」、韓国的に言えば逆「アジョシ」スタイルの、一風変わった逃走劇に仕上げている。ちなみにこの少年も、同じく「パラサイト」に金持ち一家の息子として出演していた子役である。
カー・アクションの中にも、こうして名作のオマージュを盛り込んでくる。映画が広く親しまれている韓国ならではの豊かさだと思う。それに比べて、Vシネみたいなダサい副題を付けてしまう日本映画業界の乏しさが悲しい。