氷雨水葵

アンテベラムの氷雨水葵のレビュー・感想・評価

アンテベラム(2020年製作の映画)
3.8
2024年4本目

映像演出が良い!

◆あらすじ
博士号を持ち人気作家でもあるヴェロニカは、夫と娘と幸せな生活を送っていた。

ある日、ヴェロニカは講演会に招かれ、黒人女性差別についての力強いスピーチで拍手喝采を浴びる。

しかし、友人たちと夕食を楽しんだヴェロニカを待っていたのは―――。

◆感想
本作を観て思いました。『ゲットアウト』や『アス』を先に観ればよかったと(笑)今月中に観ようかな~

さて、本作もクリップしていた中から適当に漁って見つけたもの。タイトルは知っていましたが、なかなか観る気になれず今日に至ります。最後まで観た感想としては、描き方というか見せ方がうまいと思いました。序盤はプランテーションで奴隷として虐げられる黒人女性エデンを描き、かと思えば博士号を持ち、夫と娘と幸せな生活を送る人気作家ヴェロニカの日常にフォーカスし、最初は「??」でしたが話が進んでいくうちに全容が見えてきてすっきり。なぜ、ヴェロニカがああなってしまったのか理由がはっきりします。

本作の見どころはエデンとヴェロニカの人生が対照的なところ。そして、ラストの復讐劇をとにかく観てほしいです。非道な仕打ちを受けるエデンたちの姿を見るのがとにかく辛かった・・・。いつか逃げ出せる、どこかに救いの手があるのでは?と思ったけど全然そんなことなくて、中盤付近で順風満帆な生活を見せられるから余計に胸がズキズキ。個人的には『パージ』とか『ドント・ブリーズ』とか(ちょっとテイスト違うかも)、本当に怖いのは人間だったパターンの話だけど、本作を観るとより痛感しますね。
結末も秀逸で、ヴェロニカがスマホで助けを求める、からの火葬場?が燃え盛るのをバックに勝者の余裕で歩くヴェロニカが最高にかっこよかった!壮大な音楽もかかり、こうなりゃ怖いものなんてないばりに復讐するのが良いっ!!馬で駆け抜けたり、自分たちを苦しめた白人に容赦ない感じしたりして、もうたまらない。物怖じしないガッツが最高に発揮されてて、ヴェロニカを演じたジャネール・モネイの演技も素晴らしい。変にグロ一辺倒よりも、問題提起したうえで見せ方を工夫し、ジワジワと恐怖を突き付けてくるほうが個人的には好きなので本作は💮ヴェロニカが助かるのと同時に、視聴者も救われた感じがするんじゃないかな?(笑)

奴隷制度とか人種差別とか聞くとげんなりするけど、エンタメ寄りの描き方なので構えなくても観れると思います。
氷雨水葵

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