名作要素はあるのに、あと一歩昇華しきれなかった感じ。
バレエの女の子の踊りの実力は素晴らしいし、草彅くんも、やつれた女性の姿がなかなか似合ってた。
でも、もっとトランスジェンダーの方の苦悩に踏み込んでも良かったのでは？
全体的に、愛の描き方が薄い気がする。
生々しい切除手術シーンとか、ヘルス屋シーン、血のおむつシーンは、衝撃的だけど、個人的に好みでは無いかな。
それよりも、女の子と草彅くんがどんどんと信頼を重ねていくシーンや、女の子同志の友情とビアン、草彅くんが無理して力仕事を頑張ってやり抜くシーンを厚く描いて欲しかった。
血がつながってないLGBTQな育ての親と、ネグレストな本当の親、自分でまだ選択できない立場にあるこどもの心情…
そこらへんを、こどもからの視点で、もっとリアルに描けば、是枝監督ばりの、世界をも相手にできるレベルの、ヒューマンドラマにできたはず。
