レイチェル

戦争と女の顔のレイチェルのレビュー・感想・評価

戦争と女の顔(2019年製作の映画)
4.8
ロシア製の反戦映画。
ロシア製の映画がこの視点から「戦争が全て悪い」と語るのは意義深い。

終戦直後のレニングラード。退役軍人の女性二人の物語。イーヤは負傷してマーシャの幼子を預かり先に帰国していた。遅れて帰国したマーシャ。舞台は二人が働く負傷兵の病院。

少し、大事な件に触れないと書けないのでスペースを取ります。




















イーヤはわが子としてマーシャの息子を大事に育てていたけれど、自分の病気のせいで事故が起こり息子を死なせてしまう…
帰国したマーシャは、イーヤに替わりの子どもを産むように言うのだった。

文章で書くと上手く伝わらない感情の細かな部分が『女の顔』というタイトルに込められていてすごく沁みた。マーシャはイーヤの友情の中に恋心を感じてしまって遠ざけるようにしたり、失いそうになるとまた彼女を求めたり、なのかな。その辺が本当に微妙過ぎて色んな解釈ができそう。深くて素晴らしかった。

怪我が治る見込みのない負傷兵のエピソードもリアルに泣けた。会いに来た妻との時間は彼にとって最期の幸せだった。

医者の彼とイーヤとの関係も本当に切なかった。これは忘れることができない作品。ロシア製の反戦映画。大事なことは二度言わなくちゃ。
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