これは映画館で観たかった。大自然の映像美を大画面で。
都心からバスに乗り着いたと思ったら、そこから一週間歩いてようやく辿り着く、ブータン北部の村ルナナ。人口50数名。
どこまでも透き通る青空と果てしない高原、眼前の岩山と遠くの山々、そこに響き渡る伝統歌「ヤクに捧げる歌」。
もう心が洗われたとしか言いようがありません。村の人々が大自然のなかの日常をどう感じているのか聞いてみたい。幸せかどうかではなくて。
生きるとはこういうことかと。人は自然のなかで生かされているだけ。水、草木、ヤクの乳、糞、肉、あらゆるものに感謝をすることが生きるということ。その気持ちが自然と歌になっていく。
そして生きるために大人の手伝いをしながら、目を輝かせて学ぶことにどこまでも純粋な子どもたち。こちらも純粋としか言いようがありません。
調べたらブータンは1971年に国連加盟、1991年に国内テレビとインターネットの利用が開始されたとのこと。ここ30年くらいで社会の変化する速さが急になったのでしょうか。変わる、発展する、何かが失くなっていくかもしれない。でも遠い異国の地でふと思い出すのは祖国の歌。