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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのkazataのレビュー・感想・評価

5.0
2022年映画館での映画初めはもちろん本作!

スパイダーマン好きの、スパイダーマン好きによる、スパイダーマン好きのためのスパイダーマン映画……つまり、最高でした!




(何を言ってもネタバレになりそうなので……以下、鑑賞後に読んで頂ければ幸いです↓)




"アベンジャーズ"シリーズの『エンドゲーム』同様に、どれだけスパイダーマンが出演した映画を見てきたかに比例して面白さが増える"ファン感謝祭的"映画なんで……トムホ主演のジョン・ワッツ版は当然のこと、サム・ライミ版&マーク・ウェブ版はマストで見ておく必要があり、さらに『スパイダーバース』を見ておけば感覚的にマルチバースの理解度&受容度が高まるかと!
(アベンジャーズ側にレンタル出演した方は…自分は未だに『エンドゲーム』しか見てません!苦笑)
(あと、スパイダーマンは関係ないけど、やっぱり『ドクター・ストレンジ』も見ておいた方がいいですね…)
(ぶっちゃけ"一見さんお断り"映画過ぎるってば!)

トムホ演じるピーター・パーカーは(良くも悪くも)陽キャ過ぎて、それゆえにライトなコメディ路線がウケて愛されてきたと思うんだけども、、、ついに本作でスパイダーマンにとってお約束の"喪失"が描かれ、そして"憎しみを乗り越えて真のヒーローになるまで"(=「大いなる力には大いなる責任が伴う」)が描かれているので、「楽しかっただけ」な印象の前2作と比べてスパイダーマン自体の原点回帰的な"暗さ"と"切なさ"が際立っていましたね。
(「喪失のエピソードはアイアンマンの件でやってるじゃん!」ってツッコミたくなる気持ちも分かるけど…あっちはあくまでディズニーだから!自分はちゃんとソニーのユニバース内で"ピーターの喪失&再起"を描くことに意義があると思うから全力擁護&肯定派!!)

それがあってのこの切ないラストよ!孤独を抱えて生きる決心をしたヒーローの悲しみに涙が溢れて……しかも真冬の寒い夜のN.Y.に飛び出すというね!(返す返すも、なぜ日本での公開が2022年にズレてんだよ…)
トムホ版ピーターが、まさかこんなにも切なくてしんみりするラストを迎えるとは思っていなかったので、ますますスパイダーマンが大好きになったし応援したくなっちゃうってば!
(トビー版ピーターもアンドリュー版ピーターも悲しみを抱えたままシリーズを終えているわけで……これでトムホも仲間入りできたってことだよね)
(子ども時代との決別=悲しみを背負ったスパイダーマンとしての成長を経たからこそ、"暗い影を隠すように陽キャで振る舞うこと"に泣けるんだってば!いやー、トムホに泣かされる日が来るとは…)
(利己的だったピーターが自己犠牲精神の塊ヒーロー=スパイダーマンになるまでの物語でもあり…)

ライトでポップなノリが売りだったジョン・ワッツ版が、最終的にはビターな感じで終わってしまったことについてネガティブに思う人もいるかもだけど……現実社会がどんどん悪くなっていってるんだから仕方ない!(特にサム・ライミ版の『スパイダーマン2』以降は)現実社会が抱えている問題への皮肉や風刺が作品内で描かれてきたと思うし、今のアメコミ映画は同時代的な社会性も求められているわけで。本作で「排除や分断によって孤独になることを良しとせず、他者と協力&共存し、人が持つ善なる心を信じて行動することの大切さ」が描かれているってことは……「現実社会はこの逆でしょ!」ってことだよね。
(そんな社会だからこそスーパーヒーローが必要なんだ!…ってことだけども)


(重ね重ねネタバレ無しで魅力を語るのが困難なので、以下ネタバレします↓)


そんなわけで、予告編の時点で過去作のヴィランが集結するのは知っていたけど……まさか、トビー&アンドリューまで登場するとは予想外の嬉しい誤算!
(トビー登場に「おかえり」って叫びたかったぐらい大興奮&大感動!笑)
("トビーに似ていることで有名"なジェイクの前作出演は壮大なフリだったのかよ…最高だぜ!!)
(もちろんヴィラン側の皆様の大集合にも大感謝です!!!!)

思い返せば、サム・ライミ版もマーク・ウェブ版も途中で打ち切り(フェードアウト)からのリブートだったわけで……その世界線の"可哀想なまま=宙ぶらりん"だったピーター達の"トラウマ克服&救済&謝罪(?)"を本作でやろうとしてくれたこと="過去シリーズのピーター達への愛"が炸裂していて、こちとら感謝感激ですよもう!
(ハリーに守られる側だったトビーがハリー父を守り、グウェンを助けられなかったアンドリューがMJを助ける…お見事!)

ってことは何?それぞれの世界に戻った後は、各世界の未来が変わっちゃうんじゃね?それこそ『ドクター・ストレンジ』で"モルド"が世界の流れを変えてしまうことの危険性を指摘してなかったっけ?……そんなディズニー側の世界の話なんて知ったこっちゃねーよ!それはディズニー側で解決しろや!ソニー側だって無茶振りに散々振り回されてきたわ!こっちはこっちで勝手にやらせてもらいますから!(みたいな開き直り精神でイッツOK!笑)
(歴史修正という指摘は……X-MENの『フューチャー&パスト』で慣れてるからイッツOK!笑)
(『ドクター・ストレンジ』の続編が思いっきりマルチバースの話っぽいから、そのための流れかな?ってか、本編後に予告的な先出しシーンがあったけど…MCU弱者的にはまた"ワンダ"とか作品を見てないキャラが出てきてついていけないよ〜)

落ち着いて考えたら「過去の引用ばかりで全然新しいことやってないじゃん!」ってツッコミもできるけど、、、だってトムホ版はスパイダーマンの基本をなぞらずにヌルッと始まっちゃった(『シビル・ウォー』未見なので…)んだから仕方ないっしょ!
(そういう意味でも、スパイダーマン誕生譚はもはや"古典"ですな…)
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