KEGURI

羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来のKEGURIのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

吹替を観ました。感情が…感情がぐちゃぐちゃ…この感情を落ち着かせるためにとりあえず中華料理店に行って桃饅頭を食べました美味しかったフーシーもたくさん美味しいもの食べて…お願い…幸せになって…。
登場人物はみんな好きですが、あまりにもフーシーに感情移入しながら観てたし、フーシーがシャオへイに頼む、と縋って懇願したシーンが忘れられません。櫻井孝宏の真髄を見た気がします。
フーシーの取った行動は、周りから見れば間違いだったかもしれないけれど、それでもフーシーにとってはそうするしかなくて、そうすることがフーシーにとっての答えだったのかなと思いました。フーシーは、仲間も故郷も奪われて、そこが大好きだったはずなのに出ていかなくてはいけなくなって、人間たちから隠れて生きています。フーシーの仲間たちも故郷を奪われて悔しいし人間が憎いけれど、フーシーの憎しみは仲間の誰よりも強いのだと感じました。フーシーの憎しみは、故郷を奪った人間そのものに対してもそうですが、自分たちから大切なものを一方的に奪った人間と「共存」していかなければならないとする考えに対しても向けられているのかなと思いました。自分たちは人間に一方的に攻撃されたのに、なぜ自分たちは人間に攻撃してはいけないのか。そういった悲しさを帯びた憎しみを、フーシーからは感じました。憎しみからは何も生まれないとは言いますが、フーシーの絶望的なまでに深い憎しみは人間への敵意に昇華されるしかなかったのだと思います。無限たちは、共存していこうと訴えますが、人間である無限からそのようなことを言われたとき、フーシーは一体どういう感情を抱いたのか…。
フーシーは、最初から人間を憎んでいたのではなく、共存できていたときの楽しい思い出もあったと言っていました。きっと、妖精にとっても人間にとっても、どちらかしかいない世界なのではなく、どちらとも楽しく暮らせる世界が良いのだと思います。フーシーが、本当に公園になったら人間たちが憩い、そして自然を尊敬できるような、そんな公園になったらいいなと思いました。
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