"私…ママに嫌われてたの…"
コレラで両親を亡くしたメアリーは、叔父の元に引き取られる事に…無愛想で気難しい性格のメアリーは周囲から疎まれる存在に…
まるで幽霊屋敷かのような大きな大きな屋敷…夜な夜なうめき声が聞こえる気がするメアリー…
叔父もまた妻を亡くし、その悲しみから抜け出せず、重い病気を抱えた一人息子のコリンの面倒も使用人に任せる始末…
森を散策していたメアリーの前に現れた一匹の犬に案内されたかのように辿り着いたその場所は、この世のモノと思える木々が鬱蒼とした庭園…だがそこは…
本日より始まった"Kino Festival 2022"オープニングに選ばれたのは、イギリス児童文学のスタンダード"秘密の花園"の何度目かの映像化作品となります。
原作は、恥ずかしながら未読で、過去の映像作品も未見ではございますが、本作はまるで生きているかのような庭園の木々や花々が美しくも印象深く感じます。
始まって暫くは何だかホラーっぽい感じもありましたが、話が進むにつれ無愛想なれど、グサっと刺さるセリフが飛び出すメアリーに引き込まれ、最後には不覚にもウルっときてしまいまいました。
また、コリン・ファースは出番は少ないながらも要所を押さえた素晴らしい演技を見せてくれます。
ストーリー的に劇的な何かがあるのでは無いのですが、無愛想だったメアリーが徐々に変わっていき、メアリーの変化が周囲の人々も変えていく様を美しい庭園の風景と共に魅せられていく良作です。