緑雨

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEの緑雨のレビュー・感想・評価

3.5
オープニングの潜水艦アクションは20世紀の香り。AI兵器などデジタルっぽさを仄めかしながらも展開されるのは超アナログな「鍵」の奪い合い。そしてクライマックスはなんとオリエント急行!しかも機関車!ヒッチコック時代に先祖返りしたかのようなレトロ調スパイアクション設定が微笑ましい。

いや、これこそが『ミッション・インポッシブル』らしさと言うべきなのだろう。このシリーズを観るのは『M:I-2』以来で、本作が続編ありの『PART ONE』であることすら知らずに観たくらいなので、大層なことを言える立場ではないのだが。

でもやっぱりトム・クルーズの健在ぶりを観るのは嬉しい。全力ダッシュする姿はとても還暦過ぎとは思えない。

一方でトム以外の登場人物にイマイチ魅力が足りない。ちょっと好かったのはイケオジ風ガブリエル役イーサイ・モラレスと女人間兵器パリス役ポム・クレメンティエフくらいかな。

ローマ市街でのカーアクションは、昔懐かしいいすゞジェミニのCMを想起したが、どこまでが実写だったのだろうか。ローマの街を破壊しそうな勢いだったけど。ヴェネツィア・パートはもう少し街の構造を生かして欲しかったかな。最大の見せ場である列車からの脱出アクションは最高。文句なしに惹き込まれて手に汗握ることができる。

”entity”を「それ」と訳すのはなかなかの名訳と思った。
緑雨

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