そうま

バーナデット ママは行方不明のそうまのレビュー・感想・評価

3.5
やっぱりケイト・ブランシェットはいいな、と思わされた映画だった。
子を持つ母と俳優業とを両立しているというイメージのあるケイト・ブランシェットがバーナデットとぴったり重なるがゆえに、ケイト・ブランシェットの魅力がこの映画の良さの7割ぐらいを占めているなぁという印象。

面白いと思ったのは、夫も娘もバーナデットのことを愛して大事に思っているし、バーナデットも家族に対し同じように思っていて、それが互いに伝わっていないわけではないが、その気持ちの発露が必ずしもお互いのためにはなっているわけではない、というところだ。
夫がワーカーホリックになった理由としては、娘のために仕事ができないバーナデットに対する申し訳なさや埋め合わせみたいなところもある様に思えるが、その夫の姿が余計にバーナデットに居心地の悪さを感じさせることになるし、バーナデットは娘がこの年まで生きてくれたことが自分の生涯の奇跡の全部だと言い聞かせ主婦に徹するが、娘はそんなことは望んでいない…という風に。
人を苦しめるのは必ずしも自分に悪意のある他人からの言動に限らない。
仮装秘書の下りはちょうどいいサスペンスになっていて面白かった。

少しきれいすぎる終わりだったが、ケイト・ブランシェットの魅力を多量に摂取できた映画だった。
そうま

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