ぐりんでる

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのぐりんでるのレビュー・感想・評価

4.0
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ティチャラ王亡きあと喪失感を抱えるワカンダに対し容赦無く鉱物資源の略奪に動く大国。さらに海底から未知の勢力タロカンの脅威が迫る
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スタジオロゴ〜冒頭でティチャラ(チャドウズ)不在を改めて思い知らされた。
そしてティチャラが「気高すぎた」と思わせられる映画だった。それはリスペクトでもあるし、世界への憂いや願いも込められてると思う

今作は生前のティチャラの善い行いが、逝去によってネガティブな方向に作用し負の連鎖が起こるという残念でやれやれな話🤯

こないだもサミットで偉い長達が核武装についての話し合いをしてた。広島の悲劇を見て、核のない世界の実現を目指したいと記したのは本心か建前か。核武装は平和のための抑止力と言ってる人もいた。
平和維持のために戦争の準備を怠らない。とは…平和とは名ばかりの静かな脅迫、これは前作のキルモンガーの考え方に近い路線じゃないのかい。

ティチャラは一つ先へと進もうとした。そんな関係ではなく、武力強化を前提としない資源や技術の共有、支援という形で世界へ歩み寄った
そんな想いも汲み取らず、強力な暴力装置としての価値に目の色変えて食いつく大国

でも、お前らはこういうことするよな!?と、見透かされてる大国。そんな情けない人たちに寛大で鋭いスピーチを浴びせるラモンダ女王の凛々しさ
大事な人を失い、こんな世界は焼き尽くしたいと思っちゃうシュリ、
さらにかなり不気味で怖い演出の自殺誘発ソングと共に浮上するタロカン帝国の戦士

最強の鉱物資源ヴィヴラニウムの利権を巡りワカンダ、タロカン、国連加盟国の三つ巴の抗争でも始まるのか!限られた資源を貪り合う様に「だから言ったじゃん」って不貞腐れ気味にドヤるサノスの顔がチラついた、そんなこの辺の導入部分には結構ワクワクした

でもタロカンがほとんど八つ当たりみたいな言い分でワカンダを脅迫しにやってきてからは二項対立に収まり、どう見ても不毛な争いに発展
おまけに、気持ちはわかるがオコエに対してめちゃくちゃ感情的にブチギレまくり、よくない命令を下すラモンダ女王で序盤のいいスピーチも台無し。

誰も彼もティチャラの想いを誰も汲み取ろうとしないで同じことを繰り返す感じは少し呆れた。人間らしいと言えばそうだけど、2作目としては進展がなさすぎるし展開上の都合でシュリが可哀想すぎでしょ。

そんな中登場する度に株を上げまくる男がいた。今作で好きなシーンは全部そいつのシーンと言っても過言じゃない。名前はエムバク、気持ちのいい男。めちゃくちゃいい感じの聡いメンターになってた。こいつは最高よ

あと、なんか面白かったのは王位継承の儀。前作では槍でちちくりあったり流血上等の物騒な戦いだったはずだが、今回は何の前触れもなく腕相撲。

もはや腕相撲なのかもわからなかったけどね。what’s up bro!みたいな勢いで最初はめちゃくちゃ力入りまくりの握手。あのガッってやってハグに繋がるタイプの握手かと思ったんだけど、

空中腕相撲が始まった。勝敗が決するとやっぱりあんたが王だぜ…って。
軽いなぁ!!学級委員長決めるのだってもっとちゃんとやるだろww

とにかくあの人物が言うように「ティチャラは気高すぎた」
まだ未熟だ。この冬一番に何度だって繰り返す。それでも争いへ続く道を誰かがどこかで踏みとどまり平和に近づこうとする者が現れることを願ったような一作のようにも思えた。

最後のビーチのとこよかった。目を閉じれば、瞼のスクリーンに映る思い出。
あんたの役者としての生き様は遠く離れた地にいる俺にも力を与えてくれた😤
ありがとうな。陛下!

ワカンダフォーエバー!