デヴィッド・フィンチャー作品予習7作目。
また新しい扉を開いたフィンチャー監督。
今度は白黒映画。
主演はゲイリー・オールドマンで、演じるのは名作「市民ケーン」の脚本を書いたハーマン・J・マンキーウィッツ。
正直、「市民ケーン」もマンキーウィッツのことも全く知りませんでした。多分、彼やその時代の映画業界について知っていればもっと楽しめたのだろうと思います。
それでも、白黒で映し出される鮮明な世界観、映画を通して観る映画の撮り方、独特なマンクの喋りと彼の優しい行いの数々。そのすべてが美しくて、映画史、そしてマンクの人間性に魅了されていました。そして、そのマンクを演じるゲイリー・オールドマンの演技には胸打たれる…。
他のキャストも素晴らしい。
リリー・コリンズ演じるミセス・A、とっても面白い人物で、マンクとのやり取りはとても面白かったです。旦那さんのことも良かったです。
アマンダ・セイフライド演じるマリオン。まさにこの時代のスターという感じで、とてつもない魅力を振りまいておりました。今度、新作もあるので、アマンダ・セイフライドも出てる「ミーン・ガールズ」観ておきたいです。
他の役者に関してはあまり詳しく知りませんでしたが、マンクの妻サラはとても印象的で、タペンス・ミドルトンの演技はとても素晴らしかったです。開票の時の二人の会話はとても刺さりました。現在に戻って、マンクに「もうpoor Sarah とは呼ばせないで」というセリフも好きでしたw
他にも面白かったのが、フィルム上映の際に出てくる画面右上の黒い丸(パンチマーク)が今作にもあったことw
しかもちゃんと交換のタイミングである2個目のパンチまで出てきてて、その徹底ぶりに驚かされましたw
こだわり抜かれているからこそ、さらに観ている方も楽しめたのだろうと思います。
今年は「バビロン」「フェイフルマンズ」など、「映画の映画」がいくつか出てましたが、改めて映画がなぜ面白いのか、そして映画はどういう道を辿ってきたのかを思い起こすことができて、良い機会でした。
今のところ、未鑑賞なのは「パニック・ルーム」と「ザ・ゲーム」。レビューのために、もう一度観たいのが「エイリアン3」と「SE7EN」。
「ザ・キラー」は今週末の夜に観に行けそうなので、それまでに2本くらいは観ておきたいです。
それにしてもマンク、移民のために街を丸ごと買ったなんて、(事実かどうかは置いといても)本当に凄い人ですね…。
最後は良い笑顔でしたw