「夢がなくてもいい」「きらめきは目的じゃない」と言い切ってくれる救いの映画。
夢のために生きる主人公を否定するわけではないが、夢に向かって生きる人間の無意識な傲慢さは(ソフトな表現とはいえ)かなりしつこく描かれる。
夢を持てるというのは一種の才能だが、その才能を持たぬ者に高みから暖かい目線を注ぐような従来の視点を逆転させていて、とても今を感じる。
この映画で救われる人はきっと少なくないと思うのです。
アメリカの騒ぎでやっと誰の目にも明らかになってきた「分断」への、とても大事な処方箋の一つではないかと思う。
2021年以降の表現が向く方向として圧倒的に正しいと思います。