第13回弁セレで観客賞・俳優賞含む史上初5冠を受賞した映画
何がそんなに人を惹きつけたのか
この映画を観た感想としてこれは確実に「芸術」で視点の真新しさを感じさせる内容だった
白黒だけじゃないその間の色を見つけ出して人間の本質を掘り下げる
嘘つく人間もいる
正直に生きていけない人間もいる
愛しててもそれは叶わないこともある
そういった不条理をポップに描く
ラストシーンを観終わった時
1冊の本を読み切ったあとの爽やかな読後感のような不思議な感情になった
高校生の洋子が既に婚約していて結婚式目前の兄である健治が浮気している場面を目撃する
浮気相手である美沙を見つけ出し洋子が美沙と対面したときに洋子自身が美沙の微妙な強さ・脆さの面影を感じ囚われていく
以降 仲良くなって奇妙な友人関係かつ共犯関係が描かれていく
芳賀監督がコメントした
「人が人を愛する事の愚かさや美しさ」
に加えて泥くさいんだけどユーモアがあって笑える
感情と感情がぶつかる時に生まれる微妙な揺れ動きと芝居での間の取り方がホントに絶妙だった
だらしない態度が人を傷つける
それも人間の姿であり愛すべきことである
決して糾弾するんじゃなくて
そこから何を学ぶかという教訓も含まれる
「人間は完璧じゃない」
そういう部分を丁寧に描く作り手の心の豊かさが描かれていた