肖像画が完成するときとはふたりが時間の許す限り互いを知り合ったときのことで、それは別れがやってくるときのことでもある。そう考えると二人の関係は初めからとても悲しいもののような気さえする。ある時点で最も分かり合えた気がしたときに、ふたりの関係は絶たれてしまうから。
…と思ったけど、人の見え方は絶えず変化するから、ずっと一緒にいたらまた心の動きを見つめて描き直さなければならない、でもずっと一緒にいるってきっとそういうことだと思う、あなたの変化を通して、自分の変化を省みること。でもきっと、それは反対のこともいえる。さよならした人のことを考えてしまうときにも、愛の名残りのようなものが続いているのだと思っているから。
