賽の河原

はちどりの賽の河原のレビュー・感想・評価

はちどり(2018年製作の映画)
3.2
今週が山場級に忙しいんですけど、明日は国民の祝日なので観てきました。久しぶりに下高井戸で観たんですけど、ここ最近は久しぶりに来るたびに、他の劇場と比べて明らかにスクリーンが白いというか。霞んで見えるのが気になるような気が...。技術的なことは分からないので気のせい、いや、老眼が始まった可能性が高いですね。
キム・ボラさんの長編初監督作品ということで大変話題でね。観てみましたけど、才能豊かなのは明らかですよね。
とにかく映画的な撮影だとか演出がうまいんでね。もうオープニングから「これはただものではねぇな🤔」って才気はしってますね。
空間をうまく使う上に視点を使ったり、派手ではないんだけどセリフの説明抜きで実に多様なシチュエーションだとかエモーションを描写できちゃう。しかもそれが韓国社会、なんなら現代社会そのものとつながる普遍性を持っているっていうね。
マジで初監督作品なのに異常な調理技術ですよ。演者も素晴らしいし。音楽の不穏なシンセ的な使い方もいいですよ。#最高
例えて言うと「ちょー丁寧に作られた出汁」みたいな映画でしたね。
無農薬で栽培した素材を、腕の立つ料理人が、海洋深層水でじっくり弱火で旨味を抽出した出汁みたいな映画ですよ。化学調味料もゼロなので自然そのものの旨味が滲み出してるみたいなんですけど、ちょっと私には味が薄かったですね。
やっぱり疲れてる分、もう少し塩味が効いててもいいし、映画として、料理としての面白さや美味しさって、確かな演出とか、旨味だけじゃないんじゃない?とか思いましたけど、いかんせん老眼なので映画ほとんど見えてない説が濃厚です。
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