話の展開と映像の力強さが面白かった。
だけど猛スピードで通り過ぎた爆音ライダーみたいな不思議なアッサリ感。
貧しい家族が裕福な家族の家に忍び込んで寄生していく展開が、あまりにも裕福な人種側を馬鹿にしているシーンが多くて、
家主達がいない間に豪邸で酒盛りしながら話している内容なんて、「お金が心のシワを伸ばすからピュアで騙されやすいんだ」って裕福人を完全に馬鹿にしたセリフなのに
妙に崇拝してるように言ってるのその違和感が不気味で、そんなのが貧富の差を見せつけるシーンの度に至る所に出てきて
ワザとなんだろうけどコメディのようでずっと不気味だった。
後半その不気味さが「ほ〜ら雨が降ったら不穏パートだよ〜」ってクッキリ出してきて、だからなのかと納得。
めちゃくちゃ仲の良い協力体制バッチリな家族なのに全く微笑ましくない。
いい人達なのに。
この映画がアカデミー賞作品賞を獲ったという事は、映画じたいの面白さや巧みさはもちろんながら、世界中何処の国もこんな貧富の差が存在して、
人に上から目線を浴びるのが常の人も、人を見下す以外の視野を知らない人も、全然違う視点で共感できる映画なんだなぁと思った。
凄い面白かったけど好きじゃない。
