かずあき

パラサイト 半地下の家族のかずあきのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

世間で言われる通り面白く出来のいい映画だったが、正直なところあまり見たくなかったので低評価…

おおよその話の筋は聞いていたが、正直なところその描画が細かくなされるがゆえにかなりしんどい映画だったと思う。「半地下」の彼らに感情移入するには僕の人生は適していないし、はっきり言って今の自分が与えられたものを当たり前だと思って生きていきたい。なんなら多少の不平すらこぼして生きていきたい、ちょっとこういうのはしんどい。

特に満たされない状況において、理想と現実の間には極めて大きなギャップがある。金持ちが生活を維持するために節制する一方で、借金にまみれた人間は一発逆転を狙い不相応な賭けに出る。彼らは金を掛けた訳ではないが、相当なリスクを追い、それなりの代償を支払った形だ。

息子はそれでも金を求める。彼がこの後大金を得るとは正直あまり思えないが。対して父は無計画と無気力の果て、ただ耐えることを選んだ。僕は金を得ようとする欲に乏しく、苦労するより耐える方が楽だと思っている。父親の方が理解できる生き方に感じる。

僕は作中の誰に感情移入すればよかったのだろう。不相応な欲を反省すべきなのか。善良という油断を反省すべきなのか。無計画の行き着く先を憂慮すべきなのか。この映画はたしかに良い映画であり僕の感情も強く揺さぶられたとは思うのだが、上手く消化しきれず腹の底に鉛のようにたまってしまった感覚がある。次は消化の必要すらない明るい映画が見たい…
かずあき

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