人間の映像理解能力の限界に挑戦する映画。
基本的なルールはシンプル。ノーラン作品なのでマクロからミクロまで一分のツッコミも許さないほど世界設定をガチガチに作り込んでいるのも理解できる。だがいかんせん、スピードがあまりにも速すぎる。
「えーっと、これがああなってこうなって〜」と考えているうちにストーリーがバンバン進んでさらに難解なシーンが続出する。
現在を理解する脳と過ぎたシーンを理解する脳を同時に働かさなければならないまさにTENETな体験だった。
最後の最後でアルマゲドンばりのどエンタメに振り切る度胸も凄い。そのせいで視聴後感がずいぶん軽くなってしまったが、それでも監督の美学に溢れた150分の映像体験はたまらなくかっこよかった。