冒頭からホラーか?ってくらいスリリング。自殺してから100日間で人生を取り戻していくストーリー。ファンタジーテイストもあり、サスペンスあり、10代の恋愛や家族の問題も織り交ぜながら展開。
期限があることを“管理人”が何度も現れて警告する。“ホームステイ”、なるほどね。
肉体とは借りもの、人は等しく死に至る。生まれた瞬間から、それがいつかはわからないけど。でも期限がわかっていたり、死を意識すると、生をより深く味わおうとする。この映画でも真実や真意を知ろうと期限いっぱい主人公が奔走する。
展開が凄まじい、ラストまで飽きることなく引き込まれた。タイの高校生の学生生活(行事でマスゲームなんかをやるのね)が興味深い。家族や友だちへの愛とは何か、与えられるものだけでない、ありのままを認めたり許したりする愛に気づく、そんな青春物語。
鑑賞してる時、ふと、やなせたかしの詩がよぎる
絶望のとなりに
だれかがそっと 腰掛けた
絶望は
となりのひとに きいた
「あなたは いったい だれですか」
となりのひとは ほほえんだ
「私の名前は 希望です」
自死してしまえば生き返ることはない。映画のような奇跡は起こらない。私たちはホームステイ期間中の今を、この肉体で後悔なく生き抜こう。