乳牛たちのインティファーダを配信している動画配信サービス

『乳牛たちのインティファーダ』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

乳牛たちのインティファーダ
動画配信は2024年4月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

『乳牛たちのインティファーダ』に投稿された感想・評価

いち麦

いち麦の感想・評価

4.0
イスラーム映画祭4(2019)にて鑑賞。第1次インティファーダの頃の、ベイト・サフール地区に於けるユニークな非武装抵抗運動…パレスチナ人の屈強で賢い適応力に驚いた。擬人化した乳牛がクレイ・アニメでユーモラスに喋るなど、柔らかな演出で愉しく学べた。
inu

inuの感想・評価

4.3
地獄とは人々が苦しんでいるところのことではない。人が苦しんでいるのを、誰も見ようとしないところのことだ。
マンスール・アル=ハッラージュ

4月29日、神戸・元町映画館で行われているイスラーム映画祭に足を運んだ。映画「乳牛たちのインティファーダ」を鑑賞。その後京都大学の岡真理先生のパネルディスカッションを拝聴した。ここで語られたのはいまこの世界で起きている同世代の悲劇だ。先に述べた映画はパレスチナ問題での第一次インティファーダ( انتفاضة ; 蜂起 )を家畜の観点を交えながら考察するドキュメンタリーで、イスラエルの行なっているパレスチナ人への仕打ちの滑稽さを伝えている。先生からはこのパレスチナ問題の現状を伝えるお話を伺うことができた。

「ガザはいま生き地獄と化している」。岡先生はそう繰り返す。イスラエルから迫害されガザに押し込まれたパレスチナ人であるが、ガザ地区はまさに檻同然で、出入域ほか食料や物資の搬入は著しく制限されている。近代的な都市が成立している街並みであるが、電気は1日8時間しか通らない。したがって下水処理施設も機能せず、生活排水は美しかった海に垂れ流し。海水を媒介した感染症で死ぬ者もいる。生きることができるかできないか最小限の食料でその日暮らし的な生活を強いられ、失業率は50%超え。外の国際社会と完全に遮断された状況で追い込まれた若者は次々に自殺を選んでいる。多くをムスリムが占めるパレスチナ人にとって、イスラームのタブーである自殺を選択することはそれ自体異常なことだと言う。たとえ地獄に堕ちたとしてもこの生き地獄より断然マシだという明確な意思表示がそこにはある。さらに、未来ある若者はデモ行進などでイスラエル軍に足を撃たれ、若い障がい者が増加の一途を辿っている。家族には扶養の負担が増し、血縁という強固なつながりすら分断を招く結果となっている。イスラエルが若者やパレスチナ人を殺すより、負傷を負わせようとするのはこの精神的な分断のためという側面が大きい。「私のWatan(パレスチナ祖国の民)のために」そう言って、一貫してイスラエルの攻撃に抵抗し続けた人々は今やつながりを失いかけているのである。

イスラエルが悪い。
—— これは、一義的な解釈にすぎない。私の意図はそこにはない。ハリウッド映画は今や映画業界の中心であるが、これはユダヤ人の産業である。その甲斐もあって、第二次世界大戦におけるユダヤ人の悲劇、ホロコーストに関するハリウッド制作の映画は異様に多い。それは当然であり、ホロコーストはこの世界で最大の惨禍だ。ナチスドイツのユダヤ人への仕打ちを思うと、国際社会が戦後彼らに同情し居場所としてのイスラエル建国に向かうのはわからなくない。しかし、パレスチナ問題の発端はあくまでイギリスをはじめ、国際社会によるパレスチナ分譲。欧州人のエゴの代償をパレスチナ人が払うのはおかしな話だ。私の専攻しているパーキスターンにおいても同様の問題がある。インドとの国境を争うカシミール問題は、イギリスが統治のためにでっち上げたムスリムとヒンドゥーの宗教対立が根源だ。中東からアジアに至るまで戦中戦後の欧米の動きは害悪としか言いようがない。それでいて、現在ヘゲモニーを握る米国にはユダヤ人が多くいてロビイストとして米政権の地盤を強固にしている。つまり、米国はイスラエルと密着し続けている。これは国際世論を先導する最大の要因であって、現代の悲劇そのものだ。つまり、パレスチナ人は八方塞がりなのである。イスラエルが悪いという一義的な批判は有用ではあるが、根幹に触れる者ではない。ナチに排斥されたユダヤの歴史を経て、ユダヤ人が今イスラエルでパレスチナ人に向かってやっていることはナチと大差ない。これは皮肉なことである。歴史的変遷が告げる通りあくまでこの問題を作ったのは西洋的な国際社会なのである。

「私たちはこの問題を耳にして簡単に『絶望』だとか感想を口にすることができる。しかし、彼らパレスチナ人は絶望することすらできない。絶望とは、死だからだ」。岡真理先生のこの言葉が未だ。胸に響く。続けて彼女はこう付け加える。「彼らの希望は我々だ」と。私たちは檻の外側からガザを見つめ、どうにか手立てはないか考えることができる。それはパレスチナ人にとって大きな希望なのだ。まずは、多くの人がこの問題について知ることが重要だ。私たちが無関心を標榜している間に、ガザ地区では同世代の若者の多くが自殺を選ぶ。生き地獄の現状をまだ若い我々は変えることができないだろう。それでも、より多くの人がこのことを知る。そこから新たな希望の芽が育つはずだ。私たちは、すでに誰かの希望なんだ。そのことを心に刻んで。
https://www.youtube.com/watch?v=QSCkuTofuGY&t=54s
The Wanted 18: U.S. & Israel Bar Palestinian Filmmaker from NYC Film Premiere About Intifada Cows

レビューは後で書く。

『乳牛たちのインティファーダ』に似ている作品

ボウリング・フォー・コロンバイン

上映日:

2003年01月25日

製作国:

上映時間:

120分

ジャンル:

配給:

  • 日活
3.7

あらすじ

1999年4月20日、コロラド州。朝からボウリングに興じたふたりの少年は、その後高校に向かい銃を乱射。計13人を射殺して自殺した。なぜアメリカはこれほど銃犯罪が多いのか、ムーア監督はその疑…

>>続きを読む

ワタシタチハニンゲンダ!

上映日:

2022年08月19日

製作国:

上映時間:

114分
3.9

あらすじ

2021年3月、スリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(33)が名古屋入管で死亡した。彼女の死は長年ベールに包まれてきた入管の闇を明らかにするとともに、公権力による外国人差別の歴史を象…

>>続きを読む

監督

標的の島 風かたか

上映日:

2017年03月25日

製作国:

上映時間:

119分
3.9

あらすじ

2016年6月19日、沖縄県那覇市。米軍属女性暴行殺人事件の被害者を追悼する県民大会で、稲嶺進名護市長は言った。「我々は、また命を救う“風かたか”になれなかった」。「風(かじ)かたか」とは…

>>続きを読む

ラッカは静かに虐殺されている

上映日:

2018年04月14日

製作国:

上映時間:

92分
4.0

あらすじ

戦後史上最悪の人道危機と言われるシリア内戦。2014 年、その内戦において過激思想と武力で勢力を拡大する「イスラム国(IS)」が制圧したシリア北部の街ラッカ。かつて「天国」と呼ばれ、穏やか…

>>続きを読む

パレスチナ1948・NAKBA(ナクバ)

製作国:

上映時間:

131分

ジャンル:

3.7

あらすじ

60年代末、共同農場・キブツで過ごしていたフォトジャーナリスト・広河隆一は、パレスチナ人の村・ダリヤトルーハに居た住民を探すことに。ある姉妹と出会った広河は、彼女たちのその後も追い続け、1…

>>続きを読む